「幸せな結婚」を考える 24

5章 愛の成長(後編)
父母の愛は無条件の愛

ナビゲーター:長岡 高史

 第5章の最後は、「父母の愛」についてです。

 人は結婚をすると夫婦になり、そして子女を授かれば父母になります。
 今まで説明してきた、「四つの愛」の中で、最も崇高な愛がこの「父母の愛」だと言うことができます。

 親が子供を愛するのは、「子供がかわいいから」「優秀だから」「言うことを聞くから」ではありません。
 親は子女の存在、それ自体をただ愛するのです。それは与えても、なお与えたくて、与えたことすら覚えていない無条件の愛であり、自己犠牲的な愛です。

 「結婚生活」はそのほとんどの期間を、親として子女と共に過ごすことになります。その中で、子女を無条件に愛し、子女と共に成長していくのが理想の親の姿です。

 さて、愛の成長というテーマで、「子女の愛」「兄弟姉妹の愛」「夫婦の愛」「父母の愛」の四つを説明いたしました。そして、「結婚」とは夫婦の愛を交わし合うことであり、そのためには「子女の愛」、「兄弟姉妹の愛」が健全に育まれた土台が必要だということもお伝えいたしました。

 幸せな結婚に必要なのは「人格の成長」です。
 それは心の成熟であり、愛を成長させることなのです。