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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 3

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

第3回「子供の心」が育つ教育

(中和新聞 2013年11月12日 通巻615号より)

[第1章]序論 <2>

(3)「子供の心」が育つ教育とは
 学校では、算数や国語、理科などを「教える」ことが中心であり、家庭では、子供が「育つ」環境をどうやってつくるかということが中心になります。明確に分けることはできませんが、「教える」責任は学校にあり、子供が「育つ」責任は家庭にあると言えるでしょう。

 親は子供に比べて、経験や知識、失敗・成功体験をたくさんもっているので、どうしても「教えなければいけない」と思いがちです。子供の「育つ」環境づくりは後回しになり、子供に「教える」ことが中心になってしまうのです。

 親が子供に「教える」という観点に立つ場合、その中心は「親」です。その場合、教えている側の親の心が満たされることが多いものです。しかし、子供に教えようとするので、子供がそのことを理解できないでいると、いらいらして「分かったの? 聞いているの!」と怒ってしまうことも多いでしょう。

 それに対して、子供が「育つ」という観点に立てば、その中心は「子供」になります。家庭での「親の生き方」が、子供の育つ環境をつくることになります。よく「子供は親の後ろ姿を見て育つ」と言われます。実際、農家や商家などのように、家庭で親の働く姿を見て育った子供のほうが、そうでない子供より、よく育つ場合が多いのです。

 子供がよく「育つ」には、子供の心が「愛情」で満たされなければなりません。ひたむきに生きる親の姿を通して、子供は親の愛を感じ取っていくのです。理想家庭を目指して一生懸命歩む親の姿、親の努力自体が子育てです。つまり親自身の「原理の生活化」が問われるのです。

 家庭を理想家庭にするために親が一生懸命努力することで、子供の心が育つのではないでしょうか。そのためには、「愛情の伝え方」を学ぶ必要があります。

 「教える」ことも、もちろん必要ですが、ややもすると相手の行動だけを変えようとしてしまいます。教会に行かない子供を教会に行かせようとしたり、勉強しないでテレビを見たり、ゲームばかりをしている子供に勉強させようと強要したりと、相手の行動を変えようとすることが多くなります。

 行動を変えさせようとすると、相手はなかなか思うように行動してくれません。そんな時、子供に対して悪い印象が親の中に植えつけられてしまいます。

 次のようなみ言があります。

 「父母が直接教えてくれるのではなく、学校で学ぶのでもありません。子女のために献身的に真の愛の一生を生きていく父母の姿を見て体得し、悟るのが子女の心情です」(『後天時代の生活信仰』83ページ)

(4)子供の気持ちを感じ取る感性を養う
 神様は、人間にその時代を生き抜くための感性を与えておられます。

 心の教育とは「感性を養う」ことです。感性は体験の中で育ちます。家庭生活での家族関係や自然の中で、様々な自然に触れることで、多くのことを感じていくことができます。子供が親の手伝いをしたときに、親が喜んで感謝してくれる姿を見て、親の情に触れた子供は、「人のために生きることをしたい」と心から感じるようになるでしょう。

 感性が養われると、様々なことに対する理解力や判断力が育つようになるのです。ゲームをしていても、現実のものか架空のものかを判断できるようになるわけです。そして感性が養われていけば、子供たちがたくましく生きる大きな力となるのです。

 子女の愛は、教えて育つものではありません。次のようなみ言があります。

 「成長して分別がつくようになって子女の心情が完成するのです。父母のためにすべてのものを捧げ、永遠に捧げる人生の基準を完成するのです。それは、父母が語る前に父母の心を読み取り、願われたとおりに従っていく人生の姿となります。父母の目を見ただけで、その方の心情を推し量り、真の子女の道理を果たす人生の姿となるのです」(同8384ページ)

 親の感性が豊かだと、子供の感性も豊かになってきます。子供の気持ちを感じ取った親の言動を見れば、子供は「お父さん、お母さんは僕のことをよく分かってくれている」と実感できるようになります。

 一般社会の8割の子供たちが、「親から理解されていない」と感じているそうです。

 私たちは「原理」を知っていても、「授受作用」がうまくできていないことが多いのです。忙しさのあまり、子供と向き合う時間が少ないのではないでしょうか。問題は、親が子供の気持ちを感じ取っていないことです。

 子供の感性を伸ばすために、真の父母様は「自然に接すること」を勧めておられます。自然の中にある美しさや感動を分かち合って親子で共有してください。そして親は、子供の行動を変えさせようとする前に、子供の行動の背後にある気持ちを感じてください。

 それができるようになれば、次は、うれしいのか悲しいのか、喜んでいるのか怒っているのか、そんな親の気持ちを率直に子供に伝えるようにしてください。言葉で表現するのです。

 すると子供は、「こんなとき、お父さんはこんなふうに感じるんだ」と、親の気持ちを自然に感じ取れるようになるのです。

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 次回は、「自分が優先しているものは」をお届けします。

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