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愛の勝利者ヤコブ 9

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「愛の勝利者ヤコブ」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 どの聖書物語作者も解明し得なかったヤコブの生涯が、著者の豊かな聖書知識と想像力で、現代にも通じる人生の勝利パターンとしてリアルに再現されました。(一部、編集部が加筆・修正)

野村 健二・著

(光言社・刊『愛の勝利者ヤコブ-神の祝福と約束の成就-』より)

天地の祝福と献祭

 前記の神の言葉に続いて、アブラム(のちのアブラハム)がしたこと、これが聖書では、たった四行に要約してある。

 彼(アブラム)はこれらをみな連れてきて、二つに裂き、裂いたものを互に向かい合わせて置いた。ただし、鳥は裂かなかった。荒い鳥が死体の上に降りるとき、アブラムはこれを追い払った(創世記151011

 たったこれだけで、しかもこの謎を解くのに必要な鍵となる行動や事物は一つとして隠されてはいない。全く公然と何千億という読者の前に、これが文章化されてからでも2500年もの長い間、さらけ出され続けていたのである。もちろんその謎を秘したのは、推理小説家が犯人やトリック、動機などを隠して読者をうまうまとたぶらかして喜ぶといったけちな目的でなされたものではない。

 「悪い者は悪い事をおこない、ひとりも悟ることはないが、賢い者は悟るでしょう」(ダニエル書1210)とあるように、神は救いの摂理の秘密を神の敵対者──サタンとその配下にある悪者には隠し、味方となる霊的に高い者には、その秘密を悟りうるだけの犠牲と労苦の代価を払えば分かるようにされた。

 またそれは、特にキリストの再臨=終末の時代においては、これらのすべての謎、特に聖書の巻末──ヨハネの黙示録のうちにある「七つの封印」(黙示録568章)をすべて解読できたかどうかで、その人物がいかなるおかたであるかを、聖書を信じるすべての人々が悟りうるようにと、神が人間に対する至上の愛から工夫して書かれた一種の暗号なのである(*3)。

 暗号であるからにはすべて解読可能なものである。それはあたかも「秘」という漢字のうちに「必ず示す」という語が隠されているのと同様である。


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注:
3)ヨハネ539には次のように記されている。「あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたし(キリスト)についてあかしをするものである」と。これが何より有力なヒントとなるであろう。

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 次回は、「天地の祝福と献祭④」をお届けします。