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スマホで立ち読み Vol.13
『幸福な人生には原則があった』11

入山 聖基・著

(光言社・『幸福な人生には原則があった』より)

 『幸福な人生には原則があった』の一部を「立ち読み」でご覧いただけます! 毎週水曜日にお届けします。

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第2講座 創造原理と人生の目的

授受作用

 人間が元気に生きるためには力(エネルギー)が必要です。体に力が満ちてこそ健康体を維持でき、心に力が満ちていてこそ人生をいきいきと過ごすことができます。また、宇宙・自然界を見れば、すべての存在は、力の作用によって動いていることがわかります。

 では、その力はどこから来るのでしょうか? 私たちは熱や電気や原子力など、さまざまなエネルギーを使って生活していますが、どれ一つとして人間が存在せしめたものではありません。自然界の中にあるエネルギーを利用しているだけです。それは創造主である神の力から出ているのです。そのようなすべての力の根本にある力を「万有原力」といいます。

 現代の自然科学では、自然界には四つの力があるといいます。重力、電磁気力、弱い力、強い力の四つの力です。それらの力も、もとは一つの力から生まれていることを科学が証明する日も近いと言われています。そうなれば、「神の力」の存在を科学が証明することになるでしょう。

 では、神の力である「万有原力」は、どのようにして自然界の力になっているのでしょうか? それが「授受作用」の原理です。

 神が創られたすべての存在(被造物)は、「性相と形状」と「陽性と陰性」の二性性相の相対的関係によって存在しています。それらが相対基準を造成すると、主体と対象の立場で関係性をつくろうと、互いに「良く授け、良く受ける」という作用を起こすようになります。これを「授受作用」と言います。

 授受作用が起こると、そこから力が発生します。すべての被造物が「存在している」ということは、何らかの力が発生しているのです。生存(生きること)、繁殖(殖えること)、作用(影響を与えること)などのすべての力はこうした授受作用から生まれているのです。

 物質の根本世界では、陽子と電子が授受作用して原子を形成しており、陽イオンと陰イオンが授受作用して物質をつくっています。電気にはプラス・マイナスがあり、これらが授受作用して電気エネルギーが発生します。自然界を見ると、動物の雄と雌や植物のおしべとめしべが授受作用して繁殖しています。

 家庭においては、夫と妻が「良く授け、良く受ける」と夫婦円満になります。それは夫婦の心が通じ合って一つになっている、和しているということです。「授受作用」は和をつくり出す力であり、「一つになる」力です。

 ところで、人間が幸福に生きるには、物質的な力や要素だけでなく、精神的な力や要素も必要です。それは「愛の力」です。それも授受作用から生まれてきます。ですから、授受作用は、愛の力をつくり出す原理でもあります。

 国家において、政府と国民が「良く授け、良く受ける」と、国力を得て国家が繁栄します。世界では、国と国とが「良く授け、良く受ける」と、世界が平和になります。一つになって生きていこうという平和の力も、「授受作用」から生まれてきます。

 ところで、「授受作用」は主体が対象に与えるところから始まります。ですから、お互いが「受けよう」という要求する思いでいては、力が出ません。ですから、まず「よく与えよう」という意識を持って生きていくことが大切です。これを「ために生きる」精神と言います。互いに「ために生きて」一つになるとき、愛が生まれ、幸福になるのです。

 驚くべきことに、自然界のすべての存在は「ために生きる」精神を持って「授受作用」をして存在しています。それは宇宙を貫く精神であり、法則と言えます。そこから調和が生まれ、秩序がつくられているのです。そうした姿を見ると、「美しい」と感じるのです。ですから自然を見ると限りない美しさを感じるのです。それが愛と美の調和の世界です。

 地球を取り巻く宇宙を見てみましょう。太陽を中心に地球が回り、地球の周りを月が回っています。互いに「授受作用」することによって、自転しながら一定の軌道で公転しています。地球と月は同じ頃、約45億年前に生まれましたが、まるで夫婦のように、お互いになくてはならない関係になっています。

 地球の地軸は公転軌道に対して23.4度傾いています。地軸が傾いているのは、月と関係があるといわれています。もし地軸が傾いていなければ、太陽の光が当たる位置が固定されるため、暑いところはずっと暑いままで、寒いところは寒いままで、四季は生まれません。そうなれば、作物を育てることも簡単ではないでしょう。

 もし月がなかったら、地球は今の3倍の速度で自転するといわれています。また、常に暴風が吹き荒れ、生命が生きられる環境ではなくなるというのです。月が地球を生命の星にしているといえるのです。

 動物と植物も酸素と二酸化炭素を互いに交換しあうなど「授受作用」の関係で生存しています。

 例えば、ミツバチは花から花へと飛び回りながら蜜や花粉を集めます。そのミツバチによって花は受粉し、繁殖できるようになります。ミツバチと花は「ために生きる」関係で共存しているのです。

 このように、自然界は一つの法則で貫かれています。互いにために生きて共存しているのです。それゆえ、単独で存在しているものは何一つありません。互いに「ために生きる」という関係性でつながっているのです。自分の存在が他のためになっている──。それは「愛の法則」でもあります。このように、すべては“愛の関係”で存在しているのです。

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 次回は、「創造目的」をお届けします。お楽しみに!



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