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私の心の中にいる神様 143
つばを吐きかける人の幸せを祈る

 良心との対話で、ワクワク感が止まらない!
 毎週土曜日に配信予定です。

つばを吐きかける人の幸せを祈る

(祝福二世男性 20代)

 私は看護師です。職場に対応の難しい年配の患者さん(男性)がいます。
 その人は、「私は死んでいる」「もう死ぬ」などと、口癖のように言います。そして、自分の思いどおりにいかないと、すぐ相手を罵倒するので、スタッフの皆が手を焼いていました。

 私も名指しで罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられ、つばを吐きかけられたこともありました。

 当然、激しく葛藤します。しかし、反発したい思いを脇に置いて、この人と良い関係を持つことを大事にしていこうと、心に決めました。

 意識を「今ここ」に置き、この人の人生が幸福に満ちあふれるようにと「祝福の祈り」を折々にささげるようにしました。

 また、この人の人生を知りたいと思い、折に触れて尋ねました。

 「そういうことがあったんですね」「そんなこともあったんですか」と、相づちを打ちながら聞きました。

 その男性が薬剤師として頑張ってこられた内容には、同じ医療従事者として、感謝の思いを伝えたりもしました。
 そういうことを繰り返しても、変わらず怒られることも多かったのですが、ある時、体を拭いた後に感謝の言葉を言ってくれたのです。初めてのことだったので、驚きました。

 その後、小さな変化が起き始めました。
 他のスタッフがこの患者さんと関わった後で、「あなたのことを褒めていたよ」と教えてくれました。

 私が出勤すると、「来たか」と言いながら、名前を呼んでくれるようになりました。
 私が休みの日は、「彼はどこだ」と周囲に私のことを聞いているそうです。
 他のスタッフたちは、「どうしてこういうふうになったの?」と不思議がっています。

 ある時、このかたが、「今まで頑張って生きてきたけれど、死んでしまう。それが悔しい」と吐露しているのを聞きました。
 それを通して、このかたがいつも「死ぬ」と口癖のように言っていた理由が分かりました。
 このかたにとって「死」というのは全ての終わりであり、悲しみでしかなかったのです。

 医療で肉体の治療はできても、心が元気になるとは限りません。心が元気でないと、また体に異変が起きて、病院に戻ってきてしまいます。
 心の世界、霊的な世界をきちんと伝えて、希望を持ってもらうこと、それがみ言を知った私の務めだと感じています。

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 次回は、「夫婦で手を取り合って祈祷しています」をお届けします。


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