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コラム・週刊Blessed Life 236
緊迫する朝鮮半島情勢!

新海 一朗

 「弱肉強食の法則が作用する国際情勢の中、核を保有しなければならないというのは、21世紀の現実が証明した血の教訓だ」という考えを北朝鮮は保持し、2016年、そのことを宣言して、現在に至るまで核開発の姿勢を捨てません。

 2022年に入って、北朝鮮は巡航ミサイルまで含めると、すでに20回以上のミサイル発射実験を行っています。次は、核弾頭の小型化を目指す核実験を必ずやるだろうと専門家たちは見ています。

 すでに核弾頭の方は、4050発は持っていると見られていますが、核弾頭の重量を落としてミサイルに負担を与えない実用化(小型化)の実現が必要であるからです。

 ロシアのウクライナ侵攻(224日)を食い止めることができなかった国連は、その機能不全が露呈した格好です。そのような国連をあざ笑うかのように、今後、北朝鮮はますます核開発とミサイルの発射実験にひた走る恐れが出てきたと見られます。

 2022年510日に、韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任し、文在寅(ムン・ジェイン)政権とは違う外交路線を打ち出しました。
 対米外交、対日外交が関係改善を進める姿勢に変わり、実際、尹大統領は西側諸国との関係を深めるために、イギリス(919日)、米国(921日)、カナダ(922日)などを訪問し、中国重視型の外交よりも民主主義国家間で価値観を共にし、連携することを明確にしています。
 日韓関係も、朴振(パク・チン)外相の訪日(718日)など、改善の方向に向かっている努力がはっきりと見られます。

 こういう韓国の動きに敏感になり、神経質に反応している北朝鮮であり、特に米韓合同軍事演習(822日~91日および926日~29日)が実施されると、ミサイル発射実験で威嚇して応えるという北朝鮮の動きは、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の強い危機感と焦りを物語っています。
 文在寅政権時代には見られなかった米韓関係の緊密化であり、それだけに、北朝鮮は強硬になってきています。

 尹大統領は、就任後すぐに爆弾発言をしました。それは大統領府を「青瓦台」から市中心部の国防省庁舎に移すという発表です。
 青瓦台に一歩も足を踏み入れることなく、国防省庁舎の方へ大統領府が移ったのです。
 その理由を、中央日報が暴露していますが、青瓦台にはどんな盗聴器発見器でも発見できない周到で精巧な盗聴器が全館に仕掛けられていて、会議の音声などは全部北朝鮮に筒抜けであるというのです。

 重要な会議を行っても、リアルタイムで北朝鮮が韓国の政府方針などを、「全部分かっているぞ」と言わんばかりに発表していることの謎が解けたわけで、尹大統領はそういうことを熟知していたのです。
 そうであれば、北朝鮮は尹錫悦大統領の慎重さの前に一つも情報を得られない状態に陥ってイライラが募っていることは明らかです。

 韓国のメディアは日本と同じように、あるいはそれ以上に北朝鮮寄り、中国寄りの姿勢を持って尹政権をたたき、こき下ろす報道姿勢です。
 裏を返せば、それくらい追い詰められているということであり、連日、罵詈(ばり)雑言の大統領たたきの姿勢は、彼ら自身の危機感が想像を絶するものであることを示しています。
 朝鮮半島は、現在、危険なほどに左右の対立が強まっています。南も北も緊迫した情勢にあることを私たちは認識すべきです。