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【B-Life『世界家庭』コーナー】
トムヤムクンを召し上がれ

バンコク生活記《最終回》
納豆好きの「ダーリンはタイ人」

 2013年から2014年まで『トゥデイズ・ワールド ジャパン』に掲載された懐かしのエッセー「トムヤムクンを召し上がれ バンコク生活記 最終回」の一部を、特別にBlessed Lifeでお届けします!

 筆者のアルンローッゴーソン真理子さんは、6500双のタイ日家庭です。

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 数年前のことですが、職場の後輩から『ダーリンは外国人』というコミックエッセーをもらいました。

 早速読んで、大いに楽しませてもらったものの、「国際結婚した人の日常生活を書いた漫画が大ヒットだなんて、日本はやっぱり島国なんだな――。私が、もし漫画が書けたら『ダーリンはタイ人』というタイトルで、もっと刺激的な内容を書けるのに惜しいなあ~」などと思ったものです。

 私のダーリンは中国系タイ人で名前は「ニポン」。ニポンがニホン(日本)と聞こえたり読めたりするので、「ホントに!?」とよく笑われるのですが、本名です。

 子供の頃から日本の「快傑ライオン丸」(かなり古い!)「仮面ライダー」「ウルトラマン」をタイ語吹き替えで見て育ったためか、日本のものが大好きです。

 お味噌汁や納豆も好きな夫は、気がつけば「そろそろ味噌が切れるから買ってきてね」と言ってくるので、どっちが日本人か分からなくなります。

 夫の霊の親は、アメリカ人宣教師のジャック・ハートさん(1800家庭)といって、祈りと愛に満ちあふれた情熱的なかたです。

▲タイ南部で開拓伝道をしていたときの霊の親のジャックさん(左、2007年聖和)と夫・ニポンさん(24歳、1986年)

 私がタイにお嫁に来たときは、まだジャックさんがいらっしゃって、私に「ニポンは頑固だけれど誠実な男だ。野菜が嫌いだし、ちょっとわがままなところがあるんだよ」と、彼の長所と短所を実の父親のように教えてくれました。そして最後に「だけど、僕は彼を愛している」と一言。その横で夫が照れ笑いをしていたことが昨日のようです。

 私たちが無事に家庭を持つと、ジャックさん夫妻は21年間のタイでの宣教活動を終え、インドの宣教師として出発なさいました。

 送別の記念礼拝でジャックさんは、説教も、祈祷も、全てタイ語で語られるので、その姿に感動しました。そして夫が、ジャックさんと出会ったときの証しをしたのですが、目から鼻から洪水のようにあふれるものを抑え切れず嗚咽していました。

 ジャックさん夫妻は、昔、からい食事を無理に食べていたため、胃腸をかなり悪くした時期があったそうです。それに気づいたタイのメンバーが、見よう見まねでマッシュポテトやコーンスープを作ってあげたり、当時、簡単に入手できなかったバターや牛乳を、遠くの店までわざわざ出掛けて買ってきてあげたりしていたのです。

 昨年、『ダーリンは外国人』の著者がバンコクに来られ、友人が会ったのですが、とても仲睦まじく、奥さんのトニーさんを見詰める目は心から夫を愛している目だったと言っていました。愛しているからこそ、あんなに笑えるネタがあるのだと思ったりしました。

▲アルンローッゴーソン・ニポンさん家族
(左から、ご主人、次女、三女、長女、筆者)

 私たち国際祝福カップルは、国家的な蕩減があり、初めから著者のようにはいきません。

 でも、来(きた)る未来に備えて「ダーリンはタイ人」というタイトルで、愛の実践奮闘記を残せるように、そして、そのファイナルは「氏族的メシヤ勝利!」で締めくくれるように頑張りたいと思います。

 これまで応援ありがとうございました。

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(この記事は、『トゥデイズ・ワールド ジャパン』2014年5月号に掲載されたものです)