夫婦愛を育む 190
わが恵み汝に足れり

ナビゲーター:橘 幸世

 希望あふれる天一国時代に、今のような状況に陥るとは誰が想像したでしょうか。
 自身の日常に何か外的影響があるわけではありませんが、どうしても気分は沈みがちになります。

 蕩減復帰歴史、宗教者の迫害の歴史を語られても、心はなかなかついていきません。そんな中、いつもの訓読に臨むと、神様は私を思わぬ内容に導かれました。

 わたしの嘆きはつのり
 わたしの心は弱り果てる
 見よ、遠い地から娘なるわが民の叫ぶ声がする「主はシオンにおられないのか…(後略)

 読みながら「あれれ…? 今の自分の心に共鳴してる…?」

 開いたページにあるのは、旧約聖書のエレミヤ書(上記、第8章1823節/新共同訳)や詩編にある神の民の嘆き、そして神様の涙を身代わりするという真のお父様のみ言でした。

 「あれ、変だな。昨日まではイサクやヤコブといった内容だったのに」と思いながらも、あまりのタイムリーさに神様の業と感じずにはいられませんでした。
 力を頂いたことは言うまでもありません。(帰省中の娘は「神様がシャキッとするように読ませたんじゃないの」と一言。)

 翌日訓読に臨んだ際、気付きました。その本には栞紐(しおりひも)が赤と黄の2本あるのですが、私は黄色のひもを日々の印として使っていました。
 赤は心に残った所に挟んでおきます。前日は無意識で赤ひものページを開いたのでした。読んだのは、以前は気に留めなかった箇所でした。

 「主はシオンにおられないのか」の問いに、「主は共におられる!」と答えていただいたようでした。

 別の件でへこんだ日には、予期せぬ電話に内から力が湧くのを感じたこともありました。
 神様が共におられ、支え合える家族もいる。「わが恵み汝に足れり(わたしの恵みはあなたに十分である)」(コリント人への第二の手紙 第12章9節/新共同訳)とあるように、置かれた中で精いっぱい歩むのみだと思わされます。

 季刊誌『祝福家庭』に掲載された古田元男さんの証しの中に、「天宙復帰は人格完成のことだよ」と真のお父様が言われたとありました。

 最近では聞くことが少なくなった「天宙復帰」という言葉。当然私も、理想世界実現、神様が願われた本然の創造理想世界をつくり上げることだと思っていました。
 けれど同時に、一人一人が人格完成、愛の完成をしていくことを意味しているならば、改めてその努力に励む時なのかなと感じます。

 このたび、諸般の事情で2018年2月から担当させていただいた本欄に区切りを付けることとなりました。
 小学校時代、作文が苦手で嫌いだった私が、4年以上務めることができたこと、担当のかたはじめ皆さまの大きな心のおかげと感謝しております。
 ありがとうございました。

 皆さまの家庭に幸多きことを祈ります。

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 「夫婦愛を育む」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。


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