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スマホで立ち読み Vol.16
『いちばん大切な人と仲良くなれました』6

橘幸世・著

(光言社・刊『いちばん大切な人と仲良くなれました』より)

 スマホで立ち読み第16弾、『いちばん大切な人と仲良くなれました』を毎週月曜日(予定)にお届けします。
 同書は2018年から2019年秋までにBlessed Lifeで配信された「エッセイ夫婦愛を育む」の内容を書籍化したものです。
 人間関係を良くするための気付きやヒントをくれる、そんな一冊です。

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第1章 自分のベストフレンドになる
― 自分を嫌っていませんか?

「ま、いっか」

 お盆休みを終えて、子供は関東にまた戻って行きました。ちょっぴりリッチなグラノーラやお肉が、手つかずで残っています。子供たちが帰省したら、あれ食べさせよう、これ食べさせようといろいろ買い込みますが、外出したりして、結局毎回たくさん残ります。今回は買うものを抑えたのですが、やはり残りました。

 わが家の夏の定番、むね肉料理と今年覚えたグレープフルーツサラダとを、娘が帰る前日から漬け込んで準備万端。暑い中、よく冷えて味のしみ込んだもので喜ばせようと、張り切って食卓に出したところ、その冷たさで娘はなんとお腹(なか)を壊してしまいました。母、撃沈です。娘は回復後、律義にその料理を温めて食べていました。
 願ったとおりにいかなくても、終わってみれば楽しかった帰省期間です。良しとしましょう。

 もう何年も前から義母に言われていた屋根の修理。2019年の夏、増税前にと、ついに工事を依頼しました。事前準備として業者さんが雨樋(あまどい)を外しに来たのですが、なんとその日は大雨に! もともと軒先の短い玄関口は、雨の中の出入りに難がありましたが、雨樋を外したことで、屋根から雨が洪水のように直接流れ落ちます。雨樋のありがたさを初めて実感しました。さらにその後予想外の雨続きで、工事を始められません。
 天気ばかりはいかんともし難いので諦めるしかありませんが、雨樋を外すのを工事直前にしてほしかった、と愚痴を言いたくなりました。

 人生、思い描いたとおりにならない事が多いものです。一喜一憂しても仕方ありません。「ま、しゃーない」「ま、いっか」と受け止めていったら、楽かもしれません。
 自分の思うとおりに事を進めようとすれば、ストレスが溜(た)まり、上手くいかない原因を探して、周りや自分を責めるかもしれないからです。

 何か問題が起こると、あの時こうしていたほうが良かったんじゃないか、もっとああしていたら、と秘(ひそ)かに思い悩むこともあるでしょう。かつては私もその一人でした。でも今は、過去の事で後悔し自分を責める人に対して、こう言っています。

 「その時は、それが最善と思ってやってきたんでしょう? あなたなりにその時一生懸命頑張っていたんでしょう? 誰が悪いのでもないですよ」

 さまざまな経験を経て得た知恵で、過去の自分を振り返れば、足りない点や愚かしい点が見えるかもしれません。けれど、成長途上にあるその時なりの精一杯の知恵をもって判断し、行動していたのです。そこから学んだものを貴く思い、自分を良しとしてあげましょう。

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 次回は、「『少しだけ、許してあげる』」をお届けします。お楽しみに!



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