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神の子を生み育てるために 44
テレビの見せ方

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

テレビの見せ方

優良番組を選択し親子で視聴
 子供は生まれたときから目に映った物に関心を持ち、そこから影響を受けます。家庭の中にあるテレビは善きにつけ悪しきにつけ、子供に大きな影響を与えます。

 テレビばかり見ていると大切な学習プロセスが妨げられ、過程を重視しないで結果だけを重視しがちになります。また物を自分の目で見たり、実物を確認したりしなくなる傾向が強くなります。さらに、長時間テレビを見る子供は「空想する」「イメージする」ことが少なくなり、そういうことが次第に苦手になります。

 アメリカの心理学者、ジェローム・シンガー教授によると、「自分の世界」というものをしっかり持っている子供は「リーダーシップを備えていることが多く、むやみに攻撃的になることがない」が、テレビは「自分でコントロールできる小さな世界をつくり出す能力」を子供から奪ってしまう。その結果、「怒りやすく、不安になり、ぐずって泣きやすくなる」と言います。

 幼児は1日平均23時間、小学生は34時間テレビを見ている子供が多いという調査報告があります。112時間に抑えるのがよいでしょう。

 また時間だけでなく、何を見せるかも重要です。親がよく番組内容を把握して選ぶことが大切です。

 シンガー教授の研究グループが3年間調査したところ、ぬいぐるみの恐竜が登場する「バーニー」を見た子供は創造的な遊びに意欲を示し、対照的に悪と闘うヒーローが登場する「パワーレンジャー」を見た子供は格闘技のまねごとを始めたという結果が出ています。

 最近、「ながら視聴」も増えています。食事のときにテレビを全く見ないという子供は10%ほどで、「よくある」「ときどきある」と程度の差はあるものの、90%の子供が食事をしながらテレビを見ています。また「勉強しながらテレビを見ることがあるか」という問いでは、5年生では「よくある」が14%前後、「ときどきある」「たまにある」が5060%前後で、勉強だけに没頭している子供は10人中、わずか3人しかいないという状況です。

 子供たちにとってテレビは、良い影響を与えるというより、勉強に集中できない、家族との会話が少なくなるなど、悪い影響のほうが多いように思われます。

 テレビの良い見方を家族で話し合うことが大切です。まずどんな番組を見るか、良い番組は何かを話し合い、良くない番組は親も見ないようにしましょう。12週間の表を作ってみんなで守るようにし、終わったら話し合って、みんなの意見を入れながら、また表を作る。守れたらご褒美を準備するなどして、また頑張るように励ましていくとよいでしょう。

 番組の内容だけでなく、コマーシャルにも良くないものがありますので、気をつけることが大切です。テレビは、親子で一緒に見ることをお勧めします。

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 「神の子を生み育てるために」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。