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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第92回 子供のひきこもりを解決する方法を教えてください

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回は、「子供のひきこもりを解決する方法を教えてください」という質問です。

 日本では全国的に「ひきこもり」で悩んだり、苦しんだりしている家庭が多くあります。

 内閣府は、2015年の調査をもとに、1539歳の若年層のひきこもりは約54万人、4064歳の中高年のひきこもりは約61万人いるとの推計値を2019年に発表しています。
 全体では100万人を超える数になっています。

 ひきこもりは、家族以外の人との人間関係がなく、社会参加をしていない状態を指します。

 ひきこもりになるきっかけは、若年層であれば不登校であり、中高年であれば退職です。

 ひきこもりになると対人恐怖を感じたり、他者に良くない印象を与えるのではないかという葛藤や不安を持ったりします。
 本人がひきこもりをやめたいのにやめられない場合は、何らかの介入が求められます。

 ひきこもりの対応の基本は、引きこもった原因を探すことではありません。
 「抜け出すことを何が阻害しているか」を理解し、阻害要素を一つ一つ取り除いていくことです。

 大きな阻害要因の一つが家族の誤った対応であることが少なくありません。
 ですから、ひきこもりに対する支援は「家族相談」から始まり、次に本人の「個人相談」を行い、さらには「集団適応支援」に移るという段階的支援になります。

 ひきこもりを解決するためには、家族の中でも最も影響の大きい父母の存在が重要です。父母の子供への関わり方の変化が必要です。
 父母が持つべき関わり方を、さまざまな専門家の話をまとめて、六つ紹介いたします。

 第1は、子供を責めず、父母である自分たちにも問題があるのかもしれないと振り返ることです。

 学校に行かないこと、仕事をしないことなど、子供が責任を果たしていない非を責めたくなる心を抑えて、鏡の法則のように父母の課題を映し出してくれていると捉えてみましょう。

 「ひきこもりの子供から私が何を学ぶか?」という謙虚な姿勢、悔い改めの姿勢こそ、変化の力になります。

 第2は、子供を変えようと思わず、子供のありのままを受け入れることです。

 ありのままに受け入れることは「無条件の受容」です。無条件の愛に触れた時に、子供の心の本性が高まっていきます。

 第3は、子供を駄目な子と思わず、神様から授かった尊い子として見つめることです。

 何事も目先の現象を通して子供の善しあしを判断しがちです。

 どんな現実であろうと「神様の息子である」「神様の娘である」という尊厳性を忘れないことです。

 第4は、子供の選択権を奪わず、子供の選択を尊重することです。

 子供に失敗させてはいけないと思い、父母が「こうしなさい」「これは駄目」「これが正しい」という言葉を使うなど、答えをあげ過ぎてしまうと、子供自身が選択する機会を奪われて、自分で考える能力がなかなか育っていきません。

 第5は、子供の前で父母が互いの悪口を言わず、いつも仲良くすることです。

 目の前で互いの悪口を聞くことは、子供にとって想像以上にストレスになり、葛藤します。
 それを聞けば聞くほど、子供は父母を不信するようになります。

 第6は、子供に与え過ぎず、子供が自分でやるように導くことです。

 引きこもる子供にお金を与え続ける父親、部屋から出てこない子供のために部屋に食事を運ぶ母親、困るだろうからと部屋を提供し続ける親など、愛情心が深いが故に行っていることですが、子供の自立を本当に願うのであれば、子供に責任を持たせる勇気も必要かもしれません。

 ひきこもりを解決するためにこのような関わり方を参考にして、今一度見つめ直してみてください。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 「人生相談QA」で、ほぼ5分でお答えいたします。
 また、お会いしましょう!

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