https://www.kogensha.jp

松本雄司氏
夫婦愛を育てる16のポイント 6

ありがとう欠乏症

 「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 人気シリーズ「愛の知恵袋」(APTF『真の家庭』に連載)でおなじみの松本雄司先生が、男女の違いから夫婦生活に至るまで、夫婦愛のポイントを分かりやすく解説しています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

3「ありがとう」の力①
ありがとう欠乏症

 ある祝福家庭のご夫婦と話をしたときのことです。

「家に帰っても、安らぎがないんですよ。とにかく、妻は愚痴(ぐち)が多くて、空気が重たいんですよ……」

「私だって疲れるんですよ。夫はいつもむっつりして、機嫌が悪いし、何か手伝ってもらいたいことがあっても、言いにくいし……」

 心なしか、二人とも相当、ストレスがたまっている様子でした。

 “夫婦の慣れ”というのは、恐ろしい一面があります。

 私たちは、忙しさに追われながら生活しているうちに、いつしか感謝の気持ちを忘れ、相手をいたわる心配りができなくなっている場合があります。

 人間のだれもがもっている強い欲求の一つは、「感謝されたい」という思いです。

 人から「ありがとう」「助かりました」と感謝されると、本当にうれしいもので、「また親切にしてあげたい」という優しい気持ちになれます。

 だれもが、「感謝されたい」という思いをもって生きているのです。我々の生活に潤いがなくなり、何となく殺伐(さつばつ)とした関係になるのは、家族の関係が「一種の病的状態」になっているからです。私は、この状態のことを「ありがとう欠乏症」と呼んでいます。

夫は妻にいたわりの言葉を

 妻が、朝早くから炊事や子供の世話をし、昼は仕事や掃除・洗濯、夕方は買い物と食事の準備、夜は子供の世話と食器洗いや片付けをする。

 それを「当たり前」と言ってしまえば、それまでですが、実際は、家事・育児も、男性が考える以上に重労働です。夫が手伝いもしなければ、ねぎらいの一言もかけなければ、妻は「この人には、愛情というものがあるんだろうか」と感じてしまいます。

 たとえ、夫婦の間でも、「遅くまで大変だね」「ありがとう」「お疲れさん」といった“いたわり”の言葉があれば、「私の苦労を分かってくれているんだわ」と愛情を感じるものです。

---

 次回は、「妻は夫に感謝の言葉を」をお届けします。


◆『夫婦愛を育てる16のポイント』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ