コラム・週刊Blessed Life 207
ウクライナとロシア、停戦交渉へ

新海 一朗

 ロシアの徹底した空爆が続く中、ウクライナの住民たちのポーランドなどへの避難が連日報道されています。
 すでに120万人がウクライナを離れ、ヨーロッパへ脱出した模様です。大変な数です。

 世界はロシアへの抗議デモであふれています。日本でも東京、名古屋、大阪など、大都市での抗議デモが行われています。

 このように、世界の世論がロシアへの抗議に集中するようになれば、ロシアはいつまでも戦争をするというわけにはいかず、どこかで刀を鞘(さや)に納めなければなりません。

 停戦交渉へのタイミングを探っている現在の状況がまさに戦闘を終結させる潮時を見ているのです。
 問題は、停戦の条件がウクライナ側からすれば、非常に高いということです。

 ロシアは、停戦合意の条件として、①ウクライナの「中立的位置」(EU〈欧州連合〉側とロシア側のどちらか一方に付くのではなく、NATO〈北大西洋条約機構〉に加盟せず中立性を保つこと)、「非武装化」を掲げ、③クリミア半島におけるロシアの主権承認、さらに、④ロシア側が独立を承認したウクライナ東部地域の「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」に関しても、その地域を拡大するという条件まで持ち出してきているので、到底飲めそうな条件にはなっていません。

 ウクライナからは、ロシアの速やかな停戦、ロシア軍の全土からの撤退を要求しています。

 1回目のベラルーシでの交渉は5時間にわたる協議であったにもかかわらず、何らの合意もできませんでした。これは当然のことでお互いの腹の探り合いということでした。

 困ったことに、プーチンは「核を含む抑止力部隊の特別任務への引き上げの命令」に言及しましたが、これはどういうことでしょうか。
 核戦力部隊が戦闘態勢に加わったという意味です。核の使用も辞さないということです。

 単なる脅しであれば、過剰反応することはないのですが、キエフ陥落を思うように進められなかったプーチンのいら立ちがあることは確かです。

 ベラルーシは、「核を持たず中立を保つ」という条項を、憲法改正によって削除しました。
 これはロシアの核がベラルーシに入り、ベラルーシ側からいつでもウクライナに核を打ち込む可能性が出てきたことを示しています。明らかに、ベラルーシはロシアに引きずられています。

 ロシアの核弾頭数は6,000以上であり、これは全世界の核兵器のうち約48%です。
 ロシアが核に手を出したらウクライナはおしまいでしょう。

 しかし、考えてみれば、弱小国が生き残りのため、例えば、米国の核攻撃に対して「それならば、われわれ北朝鮮はアメリカに核を発射する」というような意味合いで「核抑止力」という言葉が使われるわけですが、ウクライナが大軍をもってロシアに攻め入るわけでもないのに、核を持ち出すというのはどういうことでしょうか。謎です。
 もしプーチンが核を使ったら、彼は完全に正気を失っていると言えるでしょう。

 いずれにせよ、停戦合意を達成し、戦闘を終わらせるため、双方の条件を最後まで主張し合うのではなく、妥当なところで停戦合意に持っていくことが重要です。

 北朝鮮も1月に7回、2月に1回、3月に1回と、今年に入り9回の実験を繰り返し、さらに、中国はパラリンピック明けに台湾侵略を開始するだろうとの予測もあります。

 ロシアのウクライナへの侵略は百害あって一利なしです。
 侵略を誘導する事態を他国に引き起こしていることは明白です。