コラム・週刊Blessed Life 13
揺れない所はどこもない

新海 一朗(コラムニスト)

 去る4月8日、所用で山口県の山口市に足を運んだ。その日、講演者としての役割を終えて、下関市に一泊することとなり、「満珠荘」というホテルに着いた。そのホテルは関門海峡に架かる関門橋のすぐ近くにあり、小高い山の中腹に位置して、関門海峡を出入りする大小の船をホテルから見下ろすことができたので、絶景を大いに楽しんだ次第である。

 床に就いて、夜中の1時半頃のことである。突然の揺れに目を覚ました。ホテルが大きく揺れ動いている。テレビをつけてみると、地震である。震源地は島根県の太田市で、マグニチュード5強であった。山口西部は震度3と出ている。

 その後も、余震が続いたが、かれこれ2時間ほど寝ることができず、目がさえてしまった。関門海峡に臨む山の中腹の崖っぷちに建つホテルに宿泊したため、このまま、地震で山が崩れ落ちて、このホテルは海の中へ沈んで宿泊者全員がお陀仏か、という妄想に憑りつかれてしまったのである。

 朝食の時、ホテルの人に聞いてみたら、震度3の揺れがここで起きるとは、想像もできない、非常に珍しいことだと言った。

 今や、日本列島で揺れない所はどこもない。どこでも揺れるのだ。日本列島に生まれた者の宿命だと諦めるにしても、最近の地震は阪神大震災、東日本大震災、熊本地震など被害規模が巨大であり、今度はついに島根大地震か、と聞いたこともないような地震が襲い来る可能性がないとは言えない。

 皆の者、気を付けよ!