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中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。

第24回 平和大使運動の基本理念とビジョン

(中和新聞 2019年11月15日 通巻1212号より)

 このシリーズでは、日本と世界が抱える諸問題についてテーマごとに取り上げながら、その根本的な解決策を提示してきました。最終回となる今回は、平和大使運動がこれらの問題に取り組むうえで大切にしている基本理念と目指しているビジョンについて説明します。

平和大使運動の基本理念
 平和大使は、専門性と徳望をもって平和世界の実現に貢献する各界の指導者の中から任命され、国家元首クラスの世界的リーダーから草の根レベルの活動家に至るまで多様なメンバーで構成されています。また、その活動はUPF(天宙平和連合)の基本理念とビジョンに基づいています。以下に、その基本理念を示します。

①人間は精神的・道徳的存在である

 世の中には物質主義が蔓延していますが、人間は単なる“物質的・経済的”存在ではありません。それらの側面を超えた次元の“精神的・道徳的”世界をもっているのです。UPFでは、後者を主体とする人間観を掲げています。

②家庭は「愛と平和の学校」である

 「社会を構成する基本単位は個人である」との考え方を「個人主義」と言います。UPFでは、「社会の基本単位は家庭である」と考えます。家庭こそ、人格が形成される場であり、世界平和に至る道を学ぶ場であると強調しています。

③他者のために生きる生活が平和への道である

 平和をつくりだす具体的な方法が奉仕です。利己的な生き方をしていては平和をつくりだすことはできません。「他者のために生きる」精神が平和への道であると考えています。

④人種・宗教・国境を越えた協力が平和をもたらす

 平和大使運動は愛国的な運動ですが、「ナショナリズム」や「国粋主義」とは異なります。「日本一国だけが栄えればよい」と考えるのではなく、世界のために生きる日本を目指します。人種、宗教、国境など、人類を隔てているあらゆる壁を越えて、「世界主義」を目指しています。

■平和大使運動のビジョン
 日本の平和大使協議会の鈴木博雄会長(筑波大学名誉教授)は次のように語っています。

 「歴史的に見て、日本の復興は『家族の再生』にかかっています。危機を克服するキーワードは、第1に『神様』であり、第2に神様の愛が顕現している『家族の愛』です」

 このコメントは、平和大使運動のビジョンである「One Family under God(神様のもとの人類一家族)」の本質を端的に表現しています。

 読者の中には、「平和をつくりだすために、どうして『神』をもちだす必要があるのだろうか?」と思う方がいるかもしれません。

 そこで、私たちが神様について考えなければならない理由を、2つの例え話で説明します。神様について考えるということは、「日常的な視点から、鳥瞰的視点へと転換することである」と理解する手助けになればと思います。

■例え話1「迷路の例え」
 1つ目は「迷路の例え」です。私たちが人生において迷うときや、社会や国家を閉塞感が覆っているときは、ちょうど迷路の中にいるような状態であると言えます。

 一口に「迷路」と言っても、大きく分けると2種類あります。それは、新聞や雑誌などでよく見かける、紙に描かれた迷路と、実際に人間が入るように等身大で造った立体的な迷路です。

 この2つの迷路の、スタートからゴールまでの道筋が同じであったとすると、ゴールにたどり着くのは、どちらがより難しいでしょうか? 言うまでもなく、それは人間が入る大きさに造られた立体的な迷路です。

 では、紙の迷路と実物の迷路、取り組む際に何が違うのでしょうか? それは「視点」です。

 紙の迷路は、全体像が見えている状態で解くので簡単です。一方、実物の迷路では、自分がどこからきて(始点)、今どこにいて(現在地)、どこに行けばよいのか(終着点)が見えません。そのために簡単に解くことができないのです。

 そこでもし、私たちが鳥のように飛び上がって実物の迷路の全体像を見ることができれば、簡単に解けます。そのような視点を「鳥瞰的視点」と言います。神様とは、人類をそのように見詰めておられる存在です。

■例え話2「宇宙飛行士の体験」
 もう1つが、宇宙飛行士の神秘的体験です。『宇宙からの帰還』(1983年出版、立花隆著)には、米国航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士たちにインタビューした内容が掲載されています。

 彼らの多くは、宇宙から見た地球の美しさに感動しています。そのうちの1人、ジム・アーウィン氏は、「生命が存在する地球は正に『宇宙の奇跡』。このようなものをつくれる存在は神様以外にあり得ない」と実感し、引退後にキリスト教の伝道師になったといいます。

 また、ウォーリー・シラー氏は、宇宙からベトナム戦争の戦火を目撃し、「この地球のほかに、我々はどこにも住む所がないにもかかわらず、お互いに戦争をしている。これは本当に悲しいことだ」という言葉を残しています。

 宇宙飛行士たちは、鳥の目の高さを超えた、神様のような視点で地球を見詰めることができた数少ない人々です。全人類が彼らのような視点をもつことができれば、地球はもっと平和な星になるに違いありません。

 しかし今のところ、私たちの視野はあまりにも狭いため、争いが絶えることがないのです。

■神様を知ることを出発点とした平和大使運動
 平和大使運動は、単なる世俗的な平和運動ではありません。聖書に「主を恐れることは知恵のもとである、聖なる者を知ることは、悟りである」(箴言9・10)とあるように、神様を知ることを出発点とした平和運動なのです。

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 「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」は、今回が最終回となります。
 次回(91日)からは、第2弾「真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道」(ナビゲーター:稲森一郎氏)のシリーズをお届けします。

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