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中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。

22回 若者たちの結婚を推進する統一運動

(中和新聞 2019年4月23日 通巻1156号より)

 安倍晋三首相は、少子高齢化問題を「“国難”とも呼ぶべき危機」と表現し、緊急に対策が必要であると訴えています。「少子高齢化」の最大の原因は、若者たちの未婚化・晩婚化です。今回は、統一運動がこの問題の解決にどのように貢献できるかを説明します。

▲祝福式に参加する若者たち

■少子高齢化の主因は若者の未婚化
 少子高齢化は人口減少と労働力の低下に直結して国力を減退させるため、正に“国難と言えますが、その主因ははっきりしています。

 日本では、依然として婚外子の割合は低く、子供は結婚した夫婦から生まれる場合が大半のため、若者たちの未婚化・晩婚化が出生数の低下をもたらしていると言えます。

 2015年に行われた国勢調査のデータによると、「3034歳」の未婚率は男性で47.1%、女性で34.6%となっています。1960年にはこの数字が男女ともに10%以下であったことを考えると、現在の30代前半の若者たちが、いかに“結婚していないかが分かるでしょう。

 50歳まで1度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は、男性で23.4%、女性で14.1%です。前回(2010年)の国勢調査から急上昇して過去最高を更新しました。

 最近は、生涯結婚しない人も増えていることから、「非婚化」という言葉も使われています。

■なぜ結婚しないのか?
 若者たちが結婚しない理由を知るうえで、内閣府が実施したアンケート調査(平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」)の結果が参考になります。

 「2030代」の未婚者たちが、結婚しない理由(複数回答可)として選んだ上位5項目は、適当な相手に巡り会わない(54.3%)、自由や気楽さを失いたくない(27.2%)、結婚後の生活資金が足りない(26.9%)、まだ若すぎる(24.2%)、趣味や娯楽を楽しみたい(23.7%)でした。

 ①の「出会い」の不足、③の経済的問題、④の年齢の問題のような“外的”要因のほかに、②と⑤に見られるように、若者たちは自らの「価値観」や「ライフスタイル」を重視し、結婚に踏み出すことができなくなっているのです。

 彼らは、結婚しても「ライフスタイルは保てるのか?」「余暇や自由時間はあるのか?」「お金は自由に使えるのか?」などと心配します。このことは、彼らの中で“個人主義的”な価値観が蔓延していることを物語っています。

 結婚すれば、自らの“スタイル”を多少なりとも犠牲にしなければなりませんが、そのことを補って余りある、「一緒にいる幸せ」「分かち合う喜び」が得られます。残念ながら、今の若者はそこに魅力を感じることができず、結婚に対して強い動機をもてないでいるのです。

■「出会い」がなくなったのはなぜか?
 それでは「出会い」についてはどうでしょうか。

 国立社会保障・人口問題研究所の主任研究官らが、1970年代以降、歯止めがかからない未婚化の原因を調査。夫婦の出会い方を分析した結果、「見合い結婚」の減少が、「初婚率」の低下に関わっていることが分かりました。

 ここでの初婚率とは、未婚女性1000人当たりの、1年間の婚姻件数です。1960年代前半のある年では、恋愛結婚が35件、見合い結婚が29件でした。2000年以降になると、前者が38件、後者が3件となります。このように、見合い結婚の件数が激減したため、全体としての初婚率が大きく押し下げられているのです。

 実は、1970年代前半に恋愛結婚の件数が56件まで上昇したことがあります。その後、徐々に下降しましたが、減少の主な要因は、男性と女性が職場で出会って結婚する「職縁結婚」の減少にあると分析されています。

 高度成長期の企業には、社員を家族のように扱う“日本的経営”の特徴がありました。当時、女性従業員は、労働力というよりも男性従業員の“配偶者候補”として雇用されていた側面があったのです。職場で出会って結婚した当事者たちは、「恋愛結婚した」との意識をもつのですが、実際は、企業が“マッチ・メーカー(仲人)”として機能していたということです。

 しかし、女性の雇用形態と企業文化の変化により、今では企業がこのような役割を果たすことはなくなりました。

 また日本社会には、若者の結婚をサポートする共同体意識が伝統的に存在していました。

 若者をつかまえては「結婚してこそ一人前だ」「早く身を固めたらどうだ」と熱弁をふるう“説教おじさん”や、「お見合い写真」を預かっては親類や近所の若者に次々と縁談を勧める“マッチングおばさん”など、相手やその家庭の幸福を心から願う大人が身近にいたのです。

 今では、そのような存在をあまり見かけなくなりました。未婚率上昇は、若者を取り巻く職場環境や大人社会の変化にも要因があるのです。

■“神を中心とするお見合いと結婚”
 以上のような伝統的文化が失われた現代日本において、統一運動(家庭連合)は、結婚に対する明確な価値観をもち、若者たちに積極的に勧めることができる貴重な存在と言えます。

 家庭連合が推進する「マッチングと祝福」は、“神を中心とするお見合いと結婚”です。家庭連合は、信仰共同体として、若者たちに結婚と家庭の意義を教育するだけではなく、具体的に相手を探して結婚まで導くマッチ・メーカーとしての役割を果たしています。

 より社会に開かれた活動としては、世界平和青年学生連合(YSP)が若者たちに結婚の意義を啓蒙するために行っている「結婚なるほどセミナー」などがあります。

 これらの活動が、“国難”解決のための“処方箋”となっていくに違いありません。

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 次回(8月18日)は、「科学者の知恵を集め、環境問題の解決へ」をお届けします。

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