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青年よ行け、そして世界を救え
21世紀の青年運動への提言(3)

 36家庭の朴普熙(パク・ポーヒ) 先生(1930~2019)による講演「青年よ行け、そして世界を救え」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 朴普熙先生は1957年入教後、1961年に駐米韓国大使館の陸軍武官補佐官として米国に赴任。1972年以降、38年間にわたり文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の特別補佐官を務め、「ワシントン・タイムズ」社の初代社長をはじめ統一運動の重職を歴任されました。
 同講演は朴普熙先生を知る世代のかたはもちろん、二世・三世の若い世代の皆さんにもぜひ読んでいただきたいメッセージです。

(光言社・刊『青年よ行け、そして世界を救え』より)

一、神の実在の問題

原子物理学から見た神の実在

 それでは、20世紀の原子物理学の観点から、神を考えてみましょう。

 皆様。
 19世紀までの宇宙観は、「結局、宇宙は分けようとしても、もうそれ以上分けることのできない根本的な、微小な個体で形成されている」と、信じていました。宇宙に最小基本単位になる物質個体があるということであります。それを究極粒子と申します。その究極粒子が合わさって、物になり、それが合わさって、宇宙が形成されたという宇宙観であります。

 これはニュートンの宇宙観等からくるものであります。カール・マルクスはこの19世紀の宇宙観から、弁証法的唯物論の基本理論を樹立しました。
 だから、共産主義の主張は、「宇宙の根本は物質以外の何物でもない」(The essence of the universe is mater)と、主張したのであります。

▲カール・マルクス(1818~1883)

 そして、共産主義者たちは、分子から原子が分解された時、その原子が、この宇宙の究極粒子であろうと予測しました。もう物質はこれ以上砕けきれないと思ったのです。

 ところが、1938年にドイツで彼らの予想を裏切って、その原子をまた、分解するのに成功しました。

 そして、1942年、アメリカのシカゴでは、その原子のコントロールされた分解に成功しました。これが今の原子力発電所の始まりであります。すなわち、物質は分子、原子に分解されたのが、今度は原子がまた素粒子に分解されたのでございます。そして、その素粒子をまた砕いてみると、どうなったでしょうか? あとに残ったのは、もう素粒子ではないエネルギーの電波、または波長だったのでございます。エネルギーはもう物質ではありません。そうだとすれば、物質が非物質になったということになります。突然、物質というものが消えてしまったのでございます。これは大変な問題であります。物質を分け、さらに分けてみたら、その物質が消えてしまった。ここで宇宙の根本は物質であると叫んだ宇宙観が、一遍に崩壊してしまったのでございます。

▲物質の究極はエネルギーという非物質に行き着く

 ここで有名なアインシュタイン博士の相対性理論のE=M×C2の公式が出てきます。エネルギーは、質量×光の速度の二乗と同じということ。言い換えれば、「物質とエネルギーは、相互変形的であり、相互交流的である」ということであります。もう少し分かりやすく言えば、すべての物質はエネルギーから成り、物質を砕けば、莫大なエネルギーに変わるということであります。
 原子爆弾のあの莫大なエネルギーは、ほかならぬ、この物質の一部がエネルギーに変形した、その力なのです。

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 次回は、「宇宙に意志が存在する/宇宙の心」をお届けします。