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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる介護・福祉QA

第15回 高齢者福祉編
自宅で介護中の母親を置いて出掛けなければなりません

ナビゲーター:宮本 知洋(家庭連合福祉部長)

(動画版『ほぼ5分でわかる介護・福祉Q&A』より)

 今回は、「母親を在宅で介護しています。娘が来春結婚することになり、式に参加するため、夫婦そろって泊まりがけで出掛けなければなりません。代わりに介護をお願いできる知り合いもいないのですが、どうしたらよいでしょうか?」という質問です。

 自宅で介護をしているかたが冠婚葬祭や出張、旅行などで家を空けなければならない、というのはよくあることだと思います。
 家族でスケジュールを調整して、誰かが家にいるようにしたり、知り合いに泊まりがけの介護をお願いしたりできればよいのですが、それが難しい場合もあります。
 そんなときの強い味方になってくれるのが、今日お話するショートステイです。

 ショートステイは、文字どおり、短期間施設に入所し、介護・支援が受けられるサービスで、家を空けなければならない場合だけでなく、介護者が体調を崩したときや、前回ご紹介した介護者のレスパイト(休息)のためにも利用することができます。
 また、要介護者の入所施設が決まるまでのつなぎの意味で利用したり、将来の入居に備え、施設に慣れるために利用したりするケースもあります。

 ショートステイは大きく分けて、短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護保険適用外のショートステイの3種類があります。
 短期入所生活介護は、介護スタッフによる生活援助や機能訓練、レクリエーションなどのサービスが受けられるもので、特別養護老人ホームや一部の有料老人ホームで実施されています。

 短期入所療養介護は、介護スタッフ以外に医師や看護師がおり、リハビリや医療ケアなどを受けることができるものです。介護老人保健施設や介護療養型医療施設でサービスが提供されます。

 最後の介護保険適用外のショートステイというのは、一部の有料老人ホームで実施しているサービスで、要介護認定を受けていない人でも利用できる場合があります。
 ただし、介護保険が適用できれば13割の自己負担で利用できるのに対し、こちらは介護保険が適用されないため利用料が全て自己負担となります。

 ショートステイと以前ご紹介したデイサービスとの最も大きな違いは、預かってもらえる連続時間や時間帯です。
 デイサービスでは、早朝や夜間の預かりはしてもらえませんので、泊まりがけで家を空ける場合はショートステイを活用することになります。

 ただし、ショートステイは利用可能日数が決まっていて、連続して利用する場合は最大30日までという決まりがあります。
 また、介護認定期間の半数までしか利用できないという決まりもあり、それ以上利用する場合は費用が全額自己負担となります。

 ショートステイを利用したい場合は、ケアマネージャーに利用目的や希望する利用日・期間などを伝え、適切なサービス提供事業者を探してもらいます。

 事業者が決まって申し込みをしたら、ケアマネージャーが事業者の担当者とも協議してケアプランを作成してくれます。
 そして事業者と契約を結んだ後、サービスの開始となります。

 ショートステイは一日単位で利用できる、とても便利でありがたいサービスです。ただその分、人気が高く、時期によってはなかなか予約が取れないこともあります。前もって利用することが分かっているのであれば、早めに申請されたらよいと思います。