夫婦愛を育む 165
やっぱり謝れない?

ナビゲーター:橘 幸世

 「講座で聞いておいてよかったわ」
 ショッピングモールでばったり出会った友人が、あいさつもそこそこに、こう言ってきました。どの講座かと聞けば「男性はプライドがあって謝れないって言ってたでしょ」と彼女。
 大半の男性は一般的に、気持ちはあってもプライドが邪魔して、妻に対して「ごめん」「悪かった」がなかなか出てきません(深刻な問題の場合は別です)。

 私自身、このことを知って20余年、わが夫を見れば思い当たることが時折あります。男女の心理の違いを知らなかったら、内心責めていたかもしれません。

 友人が話してくれたのは、こんなエピソードでした。
 ある件で話をしている時、旦那さんがイライラし始めて、ついには強い口調で何か言い放って部屋を出て行きました。

 彼女は、「どうして怒るの?」と理解できません(よくあるパターンです)。
 やがて気が収まらないのか、旦那さんは出掛けてしまいました。
 彼女は、「え~っ? そんなに怒っているの?」とあぜんとします。「私の言い方が気に入らなかったのかしらねぇ? 他に考えられない」。

 男性は怒ると、①手が出る、②物に当たる(壁をたたく)、③その場を離れる、と覚えていたので(これを聞いたある男性は“3パターンともよく分かります”と言っていました)、彼女は夫の気が鎮まるのを待つばかりです。

 「講座を受けていない若い頃の自分だったら、もっとあたふたしていたと思うし、うちの主人は出て行くタイプなだけよかったわ」

 数時間後、旦那さんはブスッとしたまま帰ってきました。手にはしゃれたデザートの入った袋があります。
 「あ、これも聞いたとおりのパターン!」と心の中で思う彼女。男性は悪かったと思うとき、言葉ではなく態度で表すのです。

 女性は「ごめんね」の一言を聞きたいかもしれませんが、その行動自体が「ごめん」と言っているのですから、男性なりの謝罪を受け入れるのが肝要、と知っている彼女は、ぎこちないながら受け取ります。

 「でも今は便利な時代ね。翌日仕事先から謝罪の絵文字を一つ、ポツンとLINEで送ってきたの。私も絵文字で返したわ」

 時には、子供に対してもなかなか非を認められないこともあるかと思います。子供としては納得しかねるかもしれませんが、男性の(父親の)プライドを考慮に入れると、少し受け止めやすいかもしれません。

 神様は男性と女性に異なった特性を与えられました。「堕落性だ」などと責めるのは控えて、愛を見るようにしましょう。

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