https://www.kogensha.jp

中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。

15回「男女による結婚」の価値を守る統一運動

(中和新聞 2018年8月31日 通巻1091号より)

 「結婚は男性と女性の間でなされるもの」という常識が今、大きな挑戦を受けています。「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」など性的マイノリティーの権利擁護という名目の下に同性婚を合法化しようとする動きが世界的に広がり、その波が日本にも押し寄せているのです。今回は、同性婚合法化の動きを概観し、伝統的な結婚の定義を守るための統一運動の取り組みを紹介します。

■世界に衝撃を与えた米連邦最高裁の判決
 2015626日、米連邦最高裁は同性婚を禁じた州法に対して、「合衆国憲法に違反」との判決を下し、これによって全米50州で同性婚が合法化されました。

 米国では、2004年のマサチューセッツ州を皮切りに、10年余りで7割以上の州が同性婚を合法化しました。そして、州憲法を改正してまで、それをかたくなに拒否してきた州に対して、連邦最高裁が合法化を要求したのです。

 オバマ大統領(当時)は同判決を「米国の勝利だ!」と宣言。大統領府がホワイトハウスを虹色にライトアップして祝意を表したほどでした。この判決は世界に衝撃を与え、同性愛者たちは歓喜に沸きました。

▲2015年6月26日、全米50州で同性婚を合法化する判決が出たことを祝い、ホワイトハウスが虹色にライトアップされた

 現時点で、同性愛の行為に対する法制度は世界各国で大きく異なります。同性愛に好意的な国では、①同性婚が認められたり、②「パートナーシップ法」によって同性カップルに結婚と同等の権利が与えられたりしています。

 中立的な国では、③同性愛の行為に対する罰則規定はないものの、同性婚は法律上認められていません。

 否定的な国では、同性愛の行為に対して、④軽い刑罰、⑤重い刑罰、⑥終身刑、⑦死刑など、段階的な罰則が存在しています。

 否定的な国にはイスラム諸国やアフリカの国々が多く、好意的な国には西欧と米国を中心とする先進国が多いことが特徴です。

 また、国連や「国際オリンピック委員会」などの国際機関は、性的マイノリティーの人権擁護を推進しているため、日本はどうしても容認の方向に傾きやすいと言えます。

■同性婚合法化運動の背景
 なぜここにきて、同性婚の合法化が急速に進むようになったのでしょうか。米国の事例を中心に分析してみます。

 大きな理由の1つは、同性愛者の権利擁護グループが一致団結し、長期的な戦略に基づき、莫大な資金を投入して「結婚」の権利を勝ち取る闘いを展開したからです。彼らは政治の場でそれが実現できなければ、裁判を通じてその実現を目指しました。

 なぜ同性愛者は、自分たちカップルの関係を「結婚だと認めてほしい」と訴えるようになったのでしょうか。その解明には、より深い分析が必要です。

 1950年代から80年代、同性愛の活動家は結婚への表立った関心を示していませんでした。彼らは自由を欲し、同性愛を犯罪とする法律の廃止や、職場での差別がなくなることを求めていたのです。

 彼らにとって結婚とは、人間の性欲を制限し、自由な性関係を妨げるものでした。あるレズビアンは、「レズビアンやゲイであることの利点の1つは、結婚しなくても済むことだ」と言いました。ですから同性愛者の解放運動家は、数10年間にわたって〝反婚姻〟だったのです。

 一方、男女による結婚を支持する勢力は、「性行為の目的は繁殖であり、それは一夫一婦の枠の中で行われるべきだ」と主張。米国社会では伝統的に、結婚は「神からの祝福」とみなされ、生涯持続すべき関係であると同時に、子育てを中心に展開するものと考えられていました。

 そして国家も、「夫婦が子供を生み、次世代の市民や労働力に育てる」との観点から、結婚に格別の地位や恩典を与えたのです。

 しかし、60年代から70年代にかけて米国で起きた「性革命」によって、「一夫一婦の関係で貞操を守る」というモラルは崩壊。離婚や婚前交渉が当たり前になり、シングルマザーが急増しました。こうした文化的変化の中で、「性交渉は婚姻関係に限られるものであり、夫婦は結婚したら子供をつくるもの」という社会通念さえも揺さぶられたのです。

 その一方、結婚の社会制度上の恩典は変わりませんでした。婚姻をなしたほうが、健康保険、税金、相続その他の面で法律上有利だったのです。その結果、結婚によってもたらされる権利や恩典が、同性愛者たちにとって魅力的に映るようになったのです。

■日本に広がりつつある同性婚合法化への動き
 201541日に施行された東京都渋谷区の「同性パートナーシップ条例」は、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する制度を導入するもので、同様の制度が全国各地に広がりつつあります。

 日本においても同性婚合法化に向けた第一歩が踏み出され、もはやこの問題は〝対岸の火事〟ではなくなっているのです。

 統一運動は、「神が人間を男性と女性に創造し、両性が結婚して子供を生み増やすことが神の祝福である」との信念に基づき、同性婚の合法化に対して明確に反対しています。

 LGBTの人たちに人権があるのは当然ですが、同様に「結婚は男性と女性がするもの」と信じる人々の「信教の自由」や「言論の自由」が否定されてはなりません。

 また、LGBTの人たちの人権を守ることと、結婚の定義そのものを変えることは別次元の問題であり、両者を混同してはなりません。

 平和大使協議会では、「家庭ビジョンセミナー」などを通してこの問題について解説し、伝統的な結婚の定義を守り、男女による結婚の価値を訴えるための運動を展開しています。

---

 次回(6月30日)は、「共産主義と闘う統一運動」をお届けします。

◆ ◆ ◆

※『中和新聞』のご購読は「ネットワン会員」「ファミリー会員」(光言社)にご登録いただくことで可能です。

詳細を見る