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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第40回 より良い褒め方を教えてください

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回の質問は、「褒めることが苦手です。より良い褒め方を教えてください」という質問です。

 人は誰もが、「自分の存在を認められたい」「自分の個性を褒められたい」という欲求を持っています。ですから、「褒められること」は心地よくうれしいものですが、でも、「褒めること」が苦手だという人は意外に多いようです。

 褒めることが苦手になる理由は、次の三つが考えられます。

 第1は、褒めることが恥ずかしいと感じる「抵抗感」です。
 第2は、相手に対する期待値から見れば褒めるに値しないと感じる「要求心」です。
 第3は、褒められたらこれ以上努力しなくなるのではないかという「逆効果」への心配からです。

 しかし、これらは褒め方の工夫をすることで抵抗なく表現をすることができますし、効果的な影響を相手に与えることもできます。

 相手の心に届く効果的な褒め方は、「評価的な賛美」ではなく、「共感的な賛美」です。
 評価的な賛美とは、「あなたは」「あなたが」という相手を主語にする「YOUメッセージ」による賛美です。

 「あなたは素晴らしいですね」「あなたは偉いですね」「あなたは優秀ですね」「あなたはできる人ですね」という表現です。その褒め方は決して悪くないのですが、相手を上から目線で評価するように受け止められてしまう傾向もあります。
 それよりも、共感的な賛美の方が相手の心に届きます。

 共感的な賛美とは、「私は」「私が」という、自分を主語にする「I(アイ)メッセージ」による賛美です。

 「私はあなたを見て素晴らしいと感じました」「私はあなたの行動を見て偉いなと感動しました」「私はあなたの説得力ある話を聞いて優秀なかただと実感しました」「私はあなたの努力を見て必ずできる人だと信じます」という表現です。

 例えば、子供がお母さんのお手伝いをした場合、お母さんが子供に向かって「お手伝いしてくれて(あなたは)いい子ね」と評価的な賛美をすることも悪くはないのですが、「一生懸命にお手伝いしてくれたので、(お母さんは)助かった。うれしかった。ありがとう!」という共感的な賛美をする方が、より子供の心に届きやすい、愛と励ましの言葉になります。

 また、褒めるだけでなく、さらに成長を促すための提案をすることもあります。

 例えば、「~してくれて(私は)うれしかった!」というIメッセージの後に、「次は〇〇に挑戦してみようか?」「次は〇〇もできるんじゃないの?」という「ストレッチゴール」を提示することです。

 この場合、相手は指示命令されたというよりも、励まされた、応援されたという気持ちで受け止めることができます。このような工夫をすれば、期待値より低い現状からでも褒めることができます。

 また、結果ばかりを褒めていると、結果だけに意識が行って打算的になったり、挑戦的に努力しなくなったりすることもあります。結果以上に、その人の姿勢や取り組み方、動機などの「プロセス」を褒めることも大切なことです。

 また、褒めることを習慣化するためには、褒める目的を明確にする必要があります。
 褒める目的は、次の三つが考えられます。

 第1は、互いの「信頼関係」を深めるためです。
 第2に、相手の「自己肯定感」を高めるためです。
 第3は、相手の「良い行動」を習慣化させるためです。

 褒めることで関係性を深め、相手の自信を強め、良い行動を促すことができます。

 このように意識して実践していけば、褒めることが苦手だと感じている人も、その苦手意識を徐々に克服していくことができるのではないでしょうか。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 「人生相談QA」で、ほぼ5分でお答えいたします。
 また、お会いしましょう!

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