ファミリーサポートコーチング講座 4

 今月から「ファミリーサポートコーチング講座」がスタートしました。
 同シリーズは、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第4回 次女が不登校から立ち直る

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 今回は、コーチングを受けた男性(50代)の感想文をご紹介します。

次女の不登校
 次女は、小学6年の後半から約2年間不登校でした。
 なぜこんなことが起こるのかと焦り、妻を責め、子供にも「なぜ行かないのか」と強く当たりました。昼夜逆転で、昼間寝て夜起きているような生活が続きました。親も精神的に追い込まれたのです。

 感受性の豊かな子なので、人が言い争うことを聞くと、まるで自分に言われているように感じて落ち込んでしまう子です。不登校の本当の理由は、本人も分からないと言います。

 こういうことが起きたので、当然のように「(HJ天宙天寶修錬苑での)役事」「孝情奉献書」「献金」と、親としてやれることは全てやり尽くしました。しかし状況はなかなか変わりませんでした。

ファミリーサポートコーチングとの出会い
 そんな行き詰まっている時に出合ったのが、「ファミリーサポートコーチング」でした。
 「傾聴」「共感」「承認」の大切さを学び、今までの自分の会話の主体を完全に入れ替え、子供の心に寄り添い傾聴するようになりました。

 キーワードは、「ありのままに!」です。たとえ子供が行かなくても、まずは子供の存在そのものを受け入れました。生きていてくれるだけでOK。たとえ学校へ行かなくてもいい。この子が元気に笑顔を取り戻せるにはどうしたらいいのかを夫婦で祈りながら考え取り組みました。

 娘と山登りをしましたし、娘が犬好きなので犬をレンタルしたり、ケーキ作りが好きなのでお菓子教室にも行かせたりしました。2人だけでチョコパフェも食べに行きました。

父親が傾聴する
 親子の会話が変わりました。学校の話は全くせず、

 「お菓子作りどうだった?」
 「このお菓子、おいしいね。上手に作ってくれてありがとう」
 「この映画面白いね」
 「この歌手上手だね。なんていうの?」
 「将来の夢は何?」
 「今度何食べに行く?」

 心に思うことをそのまま娘に聴き、「傾聴」していきました。反応があるかないかに関係なく、まずは受け止めようと心掛けました。

 すると娘は、中2の夏休み明けから元気が出てきて、学校に行けるようになりました。学校に行く勇気が出てきたのです。

 高圧的な態度で「〇〇せねばならない」と要求し、子供の心を無視して勇気をくじいていた親だったと痛感しました。

英語の弁論大会
 それから1年、奇跡が起こりました。
 中3の夏休み、娘は英語の弁論大会で学校の代表に選ばれ、市の大会で多くの人の前で英語のスピーチをしたのです。

 題材は、不登校になったこと、そしてそこから立ち直ったことを話しました。
 学校の先生も「よくここまで立ち直れた」と驚き、全校集会で「どんな時も、希望を捨てるな、神様はいるぞ!」と生徒たちに証ししたそうです。

 どん底から中学生活が始まりましたがなんとか回復して、高校受験で見事志望校に合格しました。恐るべきV字回復です。
 二世は、心のエネルギーさえ満タンになれば、自分で道を切り開くと思いました。

 次回は「ラポール1 ミラーリング」についてお伝えします。